介護会計処理

介護会計を行う前提として、社会福祉法人は「社会福祉法人会計基準」「指定介護老人福祉施設等会計処理等取扱指導指針」を遵守して勘定科目の設定および会計処理、決算書の表示を行っています。

医療法人は「病院会計準則」「介護老人保健施設会計・経理準則」を基本として勘定科目の表示や会計処理を行うことが定められています。

しかしながら、営利法人である株式会社、合同会社、特例有限会社等は、一般の企業会計基準はあるものの、介護に関する会計基準になじみが無く、また税理士や会計事務所も一般事業法人と同じような会計処理や、税務申告を行っている例が大部分です。


介護会計処理を行う前提となる会計基準および会計処理の詳細は次の通りです。

 

(1) 社会福祉法人会計基準等を基本とする介護サービス

 

福祉系サービス(訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、短期入所生活介護、痴呆対応型共同生活介護、特定施設入所者生活介護、福祉用具貸与、指定介護老人福祉施設)については、社会福祉法人会計基準または指定介護老人福祉施設等会計処理等取扱指導指針を基本として各事業所ごとの収支状況等に関する内容を明らかにすることを基本とする介護サービスです。

 

(2) 病院会計準則、介護老人保健施設会計等を基本とする介護サービス

 

医療系サービス(訪問介護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション、短期入所療養介護、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設)については、病院会計準則、介護老人保健施設会計・経理準則および指定老人訪問看護・指定訪問看護の会計・経理準則を基本として各事業所ごとの収支状況等に関する内容を明らかにすることを基本とする介護サービスです。

 

(3) (1)および(2)の会計基準等とは別の会計基準等

 

ただし、(1)および(2)の会計基準等とは別の会計基準等の適用を受ける事業主体の場合は、当該会計基準等を基本として各事業所ごとの収支状況等に関する内容を明らかにすることになります。

 

(4) 介護事業か遵守すべき運営基準

 

介護事業か遵守すべき運営基準は、それぞれの法人に適用される会計基準等によって作成された計算書類の数値を介護サービス事業別に算出、表示することを求めています。運営基準の求める内容を満たす適切な会計処理方法の例として、「会社単位分割」、「本支店会計」、「部門補助科目」、「区分表」の各方式があります。

これらの会計処理の目的は、各事業所単位ごとに、また、介護サービスごとに、損益等の計算書類の数値を算出表示することにありますから、それぞれの介護事業会社の規模や人員、経理処理能力等を勘案の上、自らの事業所が最も負担が少なく、実行しやすい方法を選択することが可能です。

介護会計に詳しい税理士、会計事務所とよく相談の上、適切な会計処理方式を選択されることが必要です。

これらの会計処理を行うことにより、ドンブリ勘定から脱却し、それぞれの事業所ごとの損益や介護サービス毎の損益が明確になります。これらの数値は介護事事業の経営や経営計画、事業計画の作成にも有効な資料となり、一石二鳥の効果を有すると考えられます。

 

会計単位分割方式

 

この方法は、施設あるいは事業所の単位「事業拠点」ごとの介護サービス事業別にあたかも別の法人のようにそれぞれ独立した主要簿(仕訳帳及び総勘定元帳)有するものです。

総勘定元帳が事業拠点別となるので収支および損益に関する計算書類(損益計算書、収支計算書、正味財産増減計算書)も貸借対照表とともに事業拠点別に作成されることになります。

なお、この方法においては他の事業拠点との取引には、収支及び損益処理とすること(他会計繰入金収入または支出)も貸借処理とすること(他会計貸付金または借入金)もあるが、その会計処理については法人の判断によることになります。

 

本支店会計方式

 

本支店会計方式は、主要簿の一部を事業拠点の単位ごとの介護サービス事業別に分離して会計処理をすることになります。

この方法においては、事業拠点の単位で収支および損益に関する計算書類と貸借対照表が作成されるが、貸借対照表の資本の部(純資産の部)について分離せず、いわゆる本店区分だけ存在させます。本部あるいは他の事業拠点間の取引は、本支店勘定(貸借勘定)で処理をすることになります。

 

部門補助科目方式

部門補助科目方式は、勘定科目に補助コードを設定し、仕訳時にこの補助コードを記入することにより、介護サービス事業別の数値が集計出来るようにする方法です。貸借対照表については、介護サービス事業別の区分をしないで、収支および損益に関する計算書を区分することを目的とする方法です。

 

区分表示方式

 

区分表示方式は、仕訳時に区分しないで、計算書類の数値をそれぞれの科目に応じて按分基準を設け、配分表によって介護サービス事業別の結果表を作成する方法です。これは部門補助科目方式の簡便法であり、科目の一部について補助コードを設けて仕訳時に処理することも併用されます。

 

 

 

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